安心院で農家民泊体験

Posted by ウー : 2006年01月16日 21:13

ajimu.jpg 農家民泊に興味があったので、グリーンツーリズム(※1)が盛んな安心院(大分県宇佐市安心院(あじむ)町)に行った(2006.1.12〜13)。

私が農泊に興味が出たのは、4年ほど前になんかの雑誌で平松洋子さんの安心院体験を読み「帰省ついでに一度訪れたい」と思ったのがきっかけ。
今回は一泊のみ農業体験なしでの利用。別府スギノイパレスの棚湯で長居してしまったのと、道に迷ったので到着時間が7時近くになってしまった。

私のまわりでは「安心院へはアフリカンサファリのとこから行く」が普通で、ナビもそうだったのだが、安心院の人にいわせるとこのルートは「数年来使ってない」そうだ・・・。どこかでナビを無視したらしく、信じられないほど細くカーブしまくった道にぶつかり、真っ暗だったので結構不安になった。最後は宿の方と携帯で話してなんとかたどり着いた。

この日の滞在者は母と私の二人のみ。現在安心院には15軒の宿があり、今年中には30軒になるそうだ。私たちが泊まったのは、一番有名で知名度も高いと思われる「舟板むかしばなしの宿」。夫婦お二人でやっている宿です。
宿は昔隠居部屋と使っていた家を使っていて、一階が食堂、二階が寝室(3部屋)になってます。旅館や民宿とは違うので、布団は自分でしくし、浴衣もない。タオル(使い捨てではない)、シーツ、布団の首カバー(こんな名称でいいの?)はあった。

宿について早速夕食をいただく。常備菜4品(きのこの煮物、揚げ大豆、ぜんまいの煮物、黒豆)、漬物が数種類、鶏鍋(鶏はこの家で飼ってたものでこの日潰したらしい)、鶏ご飯のおにぎり(おこげが美味)など、宿のお母さんが作ったものがたんと出ます。白いご飯とうどんもあるそうなのだが、小食の私たちはそこまで食べられない。
お酒は冷たい甘酒、どぶろく、赤ワイン(全部自家製)と缶ビールをいただく。甘酒は甘さひかえめでおいしいし、どぶろくはにごり酒好きの私にはぴったり。赤ワインは自家製らしくおりがあり軽めの味。
なんだかんだかと4人でいろんな話を3時間以上も話していた。食事中、天井を「ドドドドドッ」といったかんじの音が。「何だろ?」と思ってると「ねずみといたち。外から入ってくるんです」と。ねずみはまだわかるが、いたちまでいるとは。すごい。

部屋は何分築100年以上の古い家なので隙間風が入りまくり。たてつけも悪いので戸がピシッとしまらない。なので寒い寒い。
ホットカーペットの上に布団をしく。朝まで電源は入れっぱなし。母はすぐ床に就き、私は宿にあった、この宿が掲載された記事を(けっこう大量)片っ端から読んでました。母は床には就いたものの、外泊すると眠れなくなる性質+ねずみといたちのおいかけっこの音に悩まされ、2時半まで寝られなかったそうだ。

朝、起床するとものすごく寒い。仙台の朝よりはるか寒い。食堂は囲炉裏とエアコンだけだし、隙間風が入るので寒い。室内にいて吐息が白いのというのは初めて経験した気がする。茹でたての熱々の野菜を取り皿にとると一瞬で冷える位寒かった。
朝ごはんは、昨夜の鶏ご飯のおにぎりを囲炉裏で焼いたもの(焼くとまた食感が変わって美味)、自家製米味噌の味噌汁(九州の味噌なのに甘くなくてよかった)、手抜き豆腐(自家製ではなく市販のものだからそういってた)、別府湾で捕れたさよりの一夜干し(すごく美味しい)、青梗菜の茹でたもの(とても甘い)、白いご飯、手打ちうどん(自家製ゆず胡椒と青ねぎとしょうゆをぶっかけて食べる。これまた美味)。うどんは私たちがご飯を食べてる間にお母さんが踏んでたもの。それを昔の製麺機で伸ばし切った。これは私が少し手伝いました。実家が古い農家の母は「それ家にもあった。うどんは家で作って食べてた」と。

この家の食べ物はほとんど自家製。お米と野菜を作ってる農家。炭焼きもしてるし、お酒(ワイン、甘酒、どぶろく)も作ってる。味噌は麦を作っていないので米味噌。しいたけ、梅干、漬物、ゆず胡椒、こんにゃく、豆腐、うどんも作ってる。草木染まで自分でしてるし。
ここでお母さんの話を聞いてると、やってることがなんと多いことか驚く。いろいろ作ってる上に宿までやってるのだ。私と同じ24時間とは思えない。しかし話を聞いてると、お母さんはお客さんに合わせるのではなく、お客さんがお母さんに合わせてくれることが多いといっていた。「味噌を仕込みたいからその手伝いをしてもらう」、「薪が少なくなったから薪を一緒に取りに行く」、「この日はでかけるから予約はいれない」など、お母さん主体で動いてる(もちろん希望すればそれをしてもらえる)。

お母さんがいうには「昭和30年代頃の暮らし」を再現してるそうだ。竈でご飯を炊き、囲炉裏で調理する。いろんなものを自分で作る。ワインは近所の方からぶどうをたくさんもらうのでそれを使ってるらしい。かぼすもわけてもらってるらしい。この生活だとスーパーで買うものは少なくて済む。母は「実家は(農家なのに)食材はほとんどスーパーで買ってる・・・」と。そういう農家は多そうだ。

お母さんから地元安心院の中学生を受け入れたときの話を聞いた。安心院の子なのに安心院のことをしらない子が多く、いずれ安心院を離れても安心院のよさをわかってもらえるように、学校にお願いして受け入れたそうだ。子供がすごく変わって先生が驚いたといっていた。それ以降毎年受け入れてるそうだ。
北九州の中学校が一番来てるらしい。関西の学校も来るらしい。すごいなぁ。この宿には47都道府県全ての人がきてるらしい。お母さん自体も公演などで日本全国あちこち飛び回ってるというし。「福島の家族は年に三回も来る」とかいってたなぁ。それほど安心院は人を惹きつけてる。どこにでもある田舎の町なのに。
そんな私もこの宿にもう一度泊まってみたいと思った。ここは掃除が行き届き、きれいにピカピカ磨かれたとこではない。真っ白いシーツもタオルもない。それなのにふだん潔癖症気味の私がまた訪れたいと思う。ここにあるのはふつうの家と人との交流です。安心院にはまだまだたくさんの宿があるので次は別のとこにもいってみたい。農作業も体験したいし。私が住んでる宮城の農泊にも行ってみたい。

宿は一泊二食で6,000円。申し訳なくなるほどの値段です。お酒の料金は取られませんでしたので、お布施箱(別の名前だった気がする。思い出せない)に別途お金を入れました。

都道府県によって農家民泊ができる許可が違うらしい。安心院は何も新しくしなくても始められたそうですが、ほかのとこではそうはいかないらしい。なので安心院のようにやりたいと思っても許可が下りず、始められない人も結構いるそうだ(行政はいつでも頭が固いからなぁ)。

※1グリーンツーリズム:緑豊かな農村において、自然・文化・人々との交流を楽しむ「新しい旅のカタチ」

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コメント

とても興味があるし、出来たらおもしろいのになと思っていることなので楽しくうなずきながら読みました。

そうだな。最近の農家は購入して食材を賄う人も多いのですがお向かいの80歳近い年代の農家などは、食材はほとんど買わない生活。
冬が深まるとわらびの塩蔵を出してきてふるまってくれたりする。
ウーさんがまた泊まってみたいと思ったのが何故か、言葉にはなかなかできないし、口に出すとはばったいのですが、わかる気がします。
もっと私も身近なおじいちゃんおばあちゃんたちに色々教えてもらわないとな。

Posted by くいしんぼ : 2006年01月17日 11:13

>くいしんぼさん
くいしんぼさんも興味ありでしたか。私が安心院の話を彼にしたら「くいしんぼさんちはしないのかな」といってたんです。
食材を買ってしまうのは年代で別れそうですね。私だとお菓子、デザートにエスニックの調味料だの昔はいらなかったであろうものを必要としていますから。
農泊をしてなんでもありの自分の生活を反省しました。

Posted by ウー : 2006年01月18日 14:04

実家を思い出してしまいました〜
古い農家で、今はアルミサッシに入れ替えて、暖房もファンヒーターだし、夏はクーラーも入れていますが、小さい頃は木の雨戸に障子でしたから、薄暗くて寒かったですよ。
天井がとても高いので、今でもすごく寒いですけど、暖房が練炭火鉢の頃はホントに寒かったです。
何でも家で作っていた頃を思い出しますね。

Posted by オリーブ : 2006年01月18日 17:22

>オリーブさん
オリーブさんの実家は母の実家の前の家に似ています。茅葺で二階に小作部屋と蚕部屋があるという家だったそうです。
この宿はほんと寒く、ジャータイプのリップクリームがカチカチになり使えませんでした。

Posted by ウー : 2006年01月18日 18:50

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